たのしくおんがく。

音楽のレッスン話などを綴っています。

嫉妬されても

知り合いにダンサーがいまして、共通の友人の主催したパーティで5年振りぐらいに再会しました。

 

「ご無沙汰しております」と挨拶した瞬間、

「わたし、貴女みたいな恵まれたお嬢様って嫌いなのよね。家がお金持ちだから音楽大学に行けて、グランドピアノがあって、ギターも買ってもらって、ご両親にレッスン代も出してもらってるんでしょう?自分の手は汚さないでいいご身分よね。ホント大っ嫌い」

というようなことをいきなりまくし立てられ、とても驚きましたし、訳がわからなかったし、

まあ、普通に、「なんだコイツ」って感じました。

 

後になって訊いてみたところ、そのダンサーの教室では生徒が毎月減っていて、他にもいろいろあってイライラしていたところに、私と再会して、大爆発しちゃった、みたいでした。

 

だからってTPOも弁えずに場の雰囲気ぶち壊すような発言はしないで欲しかったんですが。

その場にいた人全員が不愉快になりましたし。

 

 

ちなみに彼女の言っていることはすべて妄想です。

私の家はサラリーマン家庭でしたので、音楽大学を受験する、と決めてから学費捻出の為に両親は生活を切り詰めてくれたし、自分も国立の大学(芸大ですわな)に受かろうと必死に勉強しました。

結局芸大には不合格となりましたが自宅から通える学費の高くない大学に入学、奨学金も借りることでなんとかやっていけました。

大学時代は時間もあったのでアルバイトもしてレッスン代の足しにしたり、留学費用を貯めたりしました。

 

うちにあるグランドピアノは中古のもので高いものではありません。

母親のへそくりと、自分のバイト代を貯めてそれらを足して買ったものです。

 

ギターは、大学時代は買うお金がなく、諦めました。

ずっと思い焦がれていて、やっと手に入れることが出来たのは、今の会社で戴いたボーナスで買えたからです。

国産のものですが、とても響くし弾きやすく、大好きなものです(余談ですが知人に「その楽器幾ら?」と聞かれますが、あまりいい気持ちのするものではありません)。

 

レッスン代も、今は自分の給料から捻出しています。

 

 

自分の手は汚さないで、なんて妄想もいいところです。

 

そのダンサーは育った家庭の方針だかなんだかわかりませんが、やりたいと思った習い事を親御さんに反対され、社会人になってから始めたそうです。

5年以上前に、そのダンサーに音楽を付ける仕事をしたことがあり、その時はとても面倒見のいい頼れる性格の人だったのですが、今回久しぶりに再会して、「なんでこんなに変わっちゃったんだ」ってぐらいに荒れた言葉を投げかけられ、唖然としてしまいました。

 

ちなみに彼女は50代になろうという立派な大人の女性…なのでしょうが、今回の一件で、なんだか歪んだ人だなぁ、と呆れてしまいました。

 

生まれてくる家庭は選べない。

けど、それを恨んで嫉妬されても、ましてや絡んでこられても、とても迷惑なのでやめていただきたい。

大なり小なりどの家庭にも幸せな部分と不幸せな部分はあると思うし、それは人間の為すことだから仕方ない。

音楽大学には自分よりも高い楽器をポーンと買える家庭の子も居ましたが、だからって彼ら彼女らがホントに音楽が好きかっていったらそうじゃない率が高いように見えた。

 

私は、ギタリストとしてはスロースターターかもしれませんが、思い焦がれたぶん、とても楽しくてしょうがないし、始めるのに遅いからダメとかそういうことは関係ないと思います。

 

実情を知らずに勝手に妄想を繰り広げて、公共の場で人を詰るような人間にはなりたくないですし、そんな人の表現なんて見たくもないです。