たのしくおんがく。

音楽のレッスン話などを綴っています。

べつに他人事なのだけれど

知人(3月まで歌を習っていた)の出産が間近となっています。

 

正直なところ、彼女と私の相性はよくなかった、というか、幸せな師弟関係ではなかったと思っています。

 

私は彼女がとても怖く、一挙手一投足一言のすべてが監視されているような感じを受け、生徒として、こうしたい、ああしたい、という意見を言うことが出来ずにおりました。

なにかをやるときには許可を得ないといけない、機嫌を損ねることを言ってはいけない、してはいけない、という雁字搦めの思いに縛られ、精神的にとても窮屈なレッスンを、毎回続けていたように思います。

 

そんな思いから発せられる歌は伸びやかさを失って、本番のたびに後悔の残滓が残りました。

 

どこで私は間違えてしまったのか、自分を悔やむばかりです。

 

 

彼女は待って待って待ち望んだ子どもを産むことになるので、もう、彼女の人生のステージに私という存在は消えゆくものと思います。

人間など所詮はいない者のことなど思い出さず、今いる人と過ごして行くのですから、私は私で別の道を歩いていきますし、彼女も彼女で別の道を歩いていくのだと思います。

 

そんなわけで彼女のことは「べつに他人事」として、やっていくことになりましょう。

 

彼女の子どもが生まれ落ちたことを確認したあと、自分のなかでは、彼女とさよならをしようと思っています。