たのしくおんがく。

音楽のレッスン話などを綴っています。

点数

本棚の整理をしていたら(最近妙に本棚の整理に凝っているんですが)、大学の実技試験の成績表とかいうのが出てきました。

 

当時私の大学はたいへん意地が悪いのかよくわからないのですが、A4の紙っぺら1枚に「◯点」とか書かれただ・け・の、とてもぶっきらぼうな成績表が郵送されてくるという、そんなシステムでありました(せめて教官の一言アドバイスとかありゃいいのにねぇ)。

今はもっと手厚いのかもしれません。一言アドバイスならぬ「教官全員のアドバイス」とかもあったりして。ああ羨ましい。

 

 

…そんなことはまぁいいとして。

 

サラリーマン家庭の子女だった当時の私は「親に迷惑かけないためにも、奨学金を貰える点数をキープしなくちゃ!」とばかりに張り切って(痛い)いただけに、やはり「満点」でなくては気が済まず、その点数ではなかった結果を目にして、こう宣ったのです。

 

「わたし、トップでも満点でもなかったから大学辞めるから」。

 

今考えれば「おいおい!」って話ですが、親に負担をかけさせたくなかったいたいけな(当時)音大生だった私、早くにして才能がないと見きっちゃったんでしょう。

 

◯回めの家族会議(ゲスト・高校時代の恩師)が呼ばれたのは言うまでもなく(笑)、恩師曰くの「大学の試験の成績ごときで一喜一憂するなんてこの先が思いやられる!」という一喝で、あっさり退学はなかったことになり、その後紆余曲折あったもののなんとか卒業出来ましたとさ…と、いうのはまあいいとして。

 

 

宝塚でもそうらしいけど、学校時代の成績程当てにならないものってないらしいです。

 

だって大学時代卒業演奏会になんか呼ばれなかった(だいたい、大学卒業試験の成績で振り分けられる)けど、一番点数良かった子なんか今何してるか知らないし(つうか大学行ってなかったし)。

超点数良かった子は大学院行って伸び悩んで、音楽辞めたって聞いてるし。

 

 

人の人生程分からないものってないです。

 

 

だから音大生諸君、成績さえよければ食いっぱぐれないというのは幻想だと思いましょう。

永年実技試験70点台だった、現在OL弾き語リスタのおねえさん(おばさんって言ったやつは前へ出ろ)のエールです。

 

 

しかしながら、社会へ出ると、どんな職業であれ、「自分の勉強」に費やせる時間は圧倒的に少なくなるので、せめて学生時代にやれることはやっときましょう。

もしかしたら卒業してすぐに超いっそがしい仕事につかなきゃならないとかあるかもじゃん。

だったら、学生時代に勉強してたことが、役にたつかもしれないじゃん。

 

おねえさん(かえすがえすもおばさんって言ったやつ前へ出ろ)からのアドバイスはそんなところです。

 

 

これってコンクールで優勝した人にも同じこと言えるんですよね、だって毎年一回(乃至は何年に一回)必ず開催されて、何十人もの「優勝者」を輩出してるその「優勝者」サン達が、その後ホントに幸せな人生送れてるんでしょうか。

 

そんなん、その人の努力と音楽への愛次第やろ。

 

 

それを思った瞬間&審査員がどれだけコンクールの出場者に愛があるかないかが分かった瞬間、自分、コンクールの応募もやめてます。

 

 

自分の音楽は、自分を愛してくれる人、ファンの人、自分を高めてくれる人、そのいずれかに該当しないお方には聞いていただく価値はないと思ってますので。

 

 

こっちだってマジなんですよ。

聞いてくれる人も、マジになってくださいよね、って、思うのが、精いっぱいなのでありました。